32歳、若き不動産仲介業 アットオフィス谷社長にお話を伺いました。
私が熱狂していることは、これは本当に今、仕事そのものだというふうに思っています。
私の生い立ちは、周りの創業社長と比べると一風変わっていて、不動産ベンチャーを親族承継するという珍しいパターンで社長になっています。
もともとは事業承継をする選択肢がなかったので、不動産と全く関係のない業界(メーカー)上場企業で社長を目指して日々仕事に励んでいました。あるとき父親から事業承継をしないかと言われて、悩みましたが、チャンスと捉えて、それまでとは違う業種、職種に飛び込んでいきました。
サラリーマン時代は、熱意を持って仕事に打ち込むことが心からできていなかった気がします。現在の立場になって、自分が受け継いだものをしっかりと大きくしたいであったり、雇用している社員を守りたいであったり、日本を元気にしたいとか、そういう想いが溢れてきました。
自分のやっていることが、実際の成果として、うちで言うと、オフィスの移転をお手伝いさせて頂くとか、クリニックの開業をご支援させて頂くとか、結びついていくのを目の当たりにすると、ものすごく熱狂します。
それが次の自分の行動につながって、プラスのサイクルが生み出されているなというふうに感じています。
お父様がやられていたことと、谷社長がやられていることの違いってどこにあるのでしょうか?
違いは明確にありました。私の父はこのオフィス移転の仲介というビジネスをサラリーマンの時代からやっていて、一流のプレイヤーだったわけです。
何かあったら一人でやりきれる。そういう自信もあるし、実績もあるわけです。
片や私は異業種にいましたし、それまで不動産の契約を最初から最後まで締結した経験が一件もありません。知識としては持っていますが、実績としてないわけです。
そこから端を発する考え方の違いというのは大きくありました。
父はカリスマ性を発揮してトップが引っ張って、いろいろなことを決めていく、それこそベンチャーの最適な形でもあると思うし、正しいスタイルだと思っています。
ただ、私はそのスタイルが取れないんです。なぜならば、自分がやった経験がないので。自分はプレイヤーじゃなかった。
なので、プレイヤー的な意思決定をするときには、みんなから情報を集めなきゃいけないし、みんなの意見を聞かなければいけない。
これをせねばならないではなくて、もっとみんなでこの会社というのを作って盛り上げていこう、という形に変えていきました。そこが私と父の明確な経営スタイルの違いだと思います。
当然、言いなりになるわけじゃなく、譲れないところは譲らないのですが、父よりも譲る範囲は広い。それはそういった実績の部分から来ていると自分では思っています。
ベンチャー.jp についてお聞かせください。
会社を見ていてこのままでいたら停滞をしてしまうな。停滞をするということは、相対的に退化しているというふうに私は考えているので、それではいかんと。
どうしても Web からの反響で営業するというスタイルなので、営業は自ら顧客を開拓することがあまり得意ではない。これは仕方ないですよ。ビジネスモデルなので。
そんな時、ベンチャー.jp というドメインを、うちが持っていたことに気付き、それを使って何かやろうと考えました。
元々私がやりたいことというのは、中小企業、スタートアップ、ベンチャーの課題解決をすることなんです。
オフィスの移転は手段であって、経営者が抱えている課題を解決できれば何でもいいと私は考えていて、ルーツが違うので、よりそう感じています。
私は承継社長として会社に入ってきて、何もない、何者でもない自分でした。
一方、創業社長のことに思いを馳せた時に、当初は何者でもない自分で、かつ何もない環境なわけじゃないですか。PRする場を求めていることは灯を見るより明らかでした。
そういったスタートアップベンチャーが掲載されることでハクがついて、喜んで貰えるような、そういうメディアを作りたいと考えたのです。
開発に着手をして、3~4 ヵ月位経ったころ、とりあえず基盤ができました。
社員に一緒にやろうと誘ったのですが、誰も乗ってこないわけです。
そりゃそうだよ。だってまだなんの価値もない箱だものと。自分でもそう思いました。
その価値のない箱にインタビューという意味、価値を載せて行こうと決意しました。ある程度メディアが育っていけば、これをフックにお客様に会いに行くことも、新たな出会いを創出することだってできるし、これに載ることがプラスなんだっていうふうに捉えてくれる人がどんどん増えてくるはずだと。
メディアを始めて5ヵ月目ぐらいでしょうか、多分40社ほどインタビューを重ねていった時でした。初めてこのメディアにこういう企業を紹介したいんですと某大手のPR 会社さんからお問い合わせがありました。某大手のPR 会社からそういう風に見られるようになったということは、私の中では一つ手応えとして感じたポイントです。
当初は私とインターン生と外注のスタッフだけでしたが、ある程度記事がたまってくると、周りからの見方が変わっていく瞬間があって。そこからは私がやらなくても大丈夫だなってことで、どんどん仕組み化して引き渡していきました。
最初の収入ってどんな
ベンチャー.jpを通じて出会った方がオフィスの移転をしてくれた時ですね。
すごい震えました。
坂田さんがサプリメントを作って販売する時も、作ってる時って本当に売れるかなっていう不安があるわけじゃないですか。それと同じで、本当に自分の考えはこうだけど、本当にできるかな。世の中でやってる人がいないと尚更不安ですよね。
無料で取材して掲載して、先に恩を売り義務を果たす。そのことが後でオフィス移転をする際の仲介として返って来る。理論はそうですが、本当にやれるのかっていう不安はずっとあったわけなんです。それが初めてできた時は、うん、すごい確信を得ましたね。いや、本当に。
うちのミッションは「『はたらく』をつなげる。」で、ビジョンが「人と企業に、よりそい続ける。」っていうことなのですが、まさにこのベンチャー.jp を通じて相手のためになる、自分ができることを先にするんですね。例えば、ベンチャーキャピタルの知り合いとかを紹介しますよ、とか。
そういうのを積み重ねていって、信用が貯まっていって、信頼をされて、最終的にオフィスの移転プロジェクトがあった際には我々に相談してくれるという人間関係が作れる。正にミッション・ビジョンを体現している状態だと私は思うわけです。
信頼関係というものは、そういった一つずつの積み重ねによって、築かれていくものだと思います。
これからやろうとしていること
この業界の中でマイルストーンとして置いているのは、中小ベンチャー、スタートアップでのターゲットとしている同業の中で一番になりたいということです。
定義で言うと、売上高になるとは思います。ただ、その売上高はどれだけ縁をつなげたか。「はたらく」をつなげたか、みたいなことだと私は考えておりまして。
なので、その総和が一番大きい状態でありたいっていうのが先かもしれません。それを定量的にみると、売上高ってなっていきます。
そんな熱狂を支えている健康術とは
これはもう私は忸怩たる思いがありまして、一言で言うと、ライフワークですね(笑)
今熱狂してやっている健康術で言うと、目的は自分のパフォーマンスを 100% 発揮し続けるためというのがあります。痩せたいとか綺麗になりたいとかそういう感じじゃないんですよ、私は。
どちらかというと、こう、脳の方ですかね。どうやったら脳が活発に動くか、みたいなことをテーマにやっています。
そこに至るまでの原体験で言うと、サラリーマン時代にちょっと働きすぎちゃって、デスクで気絶したことがあったんです。その時に気づいたんですよね。会社って自分の未来を保障はしてくれないなと。家族もいるし、自分の未来は自分で守らなければいけない。当たり前じゃないですか。でも健康っていう領域において、それも同じく自分で守らないといけないのだなと。
「予防医学」というものにその原体験をきっかけにのめり込むことになり、栄養学に興味を持ちました。色々な論文を読み、自分なりのロジックを構築し、同僚に私の思う成果が得られるかっていうのを実験したりとかしていました。
その結果、自分の中でこうだなっていうメソッドが出来上がったので、それを愚直に実行するというのをやっています。
端的に言うと、栄養をしっかりと継続的に取り、その上で運動と睡眠をしっかり取るっていう、単純にこれだけですね。すると、全部がうまく回っていくので。
我々の業種っていうのは健康経営の中の一部
野望ですよね。
うちの長期ビジョンの中で 10 年 10 社 10 人 100 億っていう数字を掲げています。
実はウォールアートにもその意味が隠れているのですが、 10 年後 10 個の会社を作って、 100 億をグループで達成しようと。肝腎なのは、それを 10 人でやるというのが、私の中のポイントで、私自身私が 10 個の会社の代表取締役をやってるっていう状態はかっこよくないんです。
私がかっこいいと思う状態は、自分が採用したプロパー社員が何かやりたいことを見つけて、それをうちのグループの中で自己実現をして、結果として社長になるという状態を作り出したいんです。
その発想を持てたのは、私が承継をした身だからだと思います。
これは創業社長とは少し違うと思っていて、受け継がれていく意志とか思いとかはあると思うんですけど、創業社長は走り始めた人なので最初バトンは持ってないんです。で、第2 走者が見えるかな、みたいな時にバトンが急に出てくるみたいな。
私はもう走りだしたその時からバトンを受け取ってるんです。第2走者なので。だから何が言いたいかっていうと、誰かに渡すっていうことを最初から考えているんです。
何かを作って、それを一緒に育てていってくれる人に受け渡していきたいと考えています。
そもそも坂田さんとの出会いは
ある経営者コミュニティで初めてお会いして、名刺交換させて頂きました。
予防医学マイスターってワードに私が引っかかったんですよね。
我々の業種っていうのは健康経営の中の一部だと考えていまして。
私らのような労働集約型ビジネスでは、健康経営って本当合うと思うんですよ。少しでも日中の生産性が高まると、それがダイレクトに売り上げに転換されるっていう業態だと考えているので。
なので、イーストンを飲め(笑) 腸内環境を整えろと(笑)
腸脳相関で腸内環境を整えて、栄養素バランスを整えて、いい状態で保つ。
摂取したものがちゃんとエネルギーに転換され、細胞に転換され、最高のパフォーマンスが発揮できるようになるべきであると。
やはり健康経営に端を発するプレゼンティズムの向上って、とても重要なことだと考えています。広義的に言うと、それも働き方ですから。
・事業用賃貸オフィス仲介『アットオフィス』: https://www.at-office.jp/
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